春の読書記録
花壇では、クリムソンクローバーが咲き始めてきました。
今年の花壇の大まかな計画としてはクリムソンクローバー、ノースポール、ヤグルマギクの3種で赤、白、青のトリコロールカラーをシンプルに楽しむつもりだったのですが、遅くに植えたヤグルマギクは他の植物に押しやられ、代わりにアジュガが花壇外から青紫の彩りを添えてくれることに。一方、花壇最前列ではこぼれ種のカラシナが美しい黄色い花を咲かせていて、これはこれできれい。もう計画とかいいや、みんな好き勝手自由にやってくれ(だいたい毎年こうなる)。
最近読んだ本
最近は1ヶ月に1〜2冊のペースでゆるっと読み進めています。
ジル・クレマン『動いている庭』
できるだけあわせて、なるべく逆らわない——これが現代造園の世界に新たな一ページを開いた庭師、ジル・クレマンの哲学である。
荒れ地での植物のふるまいをモデルとし、土地を土地のダイナミズムにゆだねつつ、植物を知悉する庭師の手によって多彩で豊かな進化をうながすプロジェクト、それが「動いている庭」だ。
https://www.msz.co.jp/book/detail/07859/
フランスの代表的な庭師、ジル・クレマン氏による自身のプロジェクト群、自邸の庭でのダイナミックなさまざまな試み、世界各地の植物相の美しい写真などを収めた、プロフェッショナリズムが凝縮されたような一冊です。この本で提唱されている「動いている庭」の概念のように、本の内容自体が捉えどころがなく全体を俯瞰するのは難しかったのですが、園芸に関わらず、何か物事を実践すること全般へのセンスを養うような滋味深い本だなという印象でした。
ガーデニングに活かせる内容も多く、特に、花畑を作るために地面に種を直播きする方法に関してはとても勉強になりました。大切なのは、必ず全ての種を同じタイミングで播くこと。そうは言っても種の入手のタイミングってずれてしまいがちだから難しいのですが...
美しい写真が多数掲載されているので、ちょっと高かったけど買ってよかったと思います。気力がある時に、またじっくり読み返したいです。
カズオ・イシグロ『クララとお日さま』
母から譲ってもらった本です。カズオ・イシグロ作品は『わたしを離さないで』しか読んだことがないのですが、『クララとお日さま』と少し似た要素があるなあと感じました。例えば、「本当に存在するのかわからない希望をとことん追い求める」ような点とか(いや、人生ってそういうものなのかしら)。
人工知能を搭載したロボットのクララと、その持ち主の少女ジョジーや彼女の周囲の人たちとの交流が描かれます。クララの知覚する、人工知能ゆえの独特ではあるけれど光にあふれた鮮やかで美しい世界の描写や、時に緊張感が走りこちらまでドキドキしてしまうような緻密な人間関係の描写から目を離せず、最後まで物語に引き込まれてしまいました。
米原万里『ロシアは今日も荒れ模様』
最近本棚を整理していたら、未読のまま棚の奥深く仕舞い込んでいたこの本を発見しました。なんというタイミング。
ソ連時代、ゴルバチョフ大統領やエリツィン大統領の通訳を務めた故米原氏によるエッセイです。キレキレのユーモアと描写力でソ連という国やロシア人という国民性を掘り下げていて、とにかくすごいの一言です。
今この時代でロシアという国をどのように捉えるべきかとても難しく感じることが増えましたが、国家と、その国の人たちを単純に同一と見なすことだけは絶対に避けたいと感じています。一刻も早く戦争が終結に向かいますように。
じゃんぽ〜る西『モンプチ 嫁はフランス人』
フランス人の奥様との日常や、男性目線の子育てについて描くエッセイ漫画。この方の描く赤ちゃんがムチムチで最高に可愛くてとにかく癒されます。子育て中の国際結婚カップルの友人におすすめしたら速攻で購入していて、LINEマンガで全話読んだけどやっぱり私も書籍で買って読み直そうかなと検討中です。